リカバリーとは?
リカバリー(Recovery)とは、単なる「リカバリー」ではなく、自分らしい人生を取り戻し、希望を持って進んでいくプロセスです。
これは病気や困難を乗り越えるだけでなく、新しい視点を見つけ、関係を通じて新たな意味を共同で創り出していくことでもあります。
リカバリーの道のりは、時に霧の中にいるように不安で、時に断崖絶壁のように危険を感じることもあります。
しかし、その霧や断崖を「怖い」「苦痛」と決めつけていたのは、自分の固定観念だったと気づいたとき、見える世界が広がりました。
リカバリーは、困難を避けることではなく、それを新しい発見と学びのチャンスとして捉えることなのです。
こうした考え方は、アメリカやイギリスのリカバリーの概念、そして**WRAP(ウェルネス・リカバリー・アクション・プラン)**とも深く結びついています。
アメリカとイギリスにおけるリカバリーの違い
リカバリーの定義は、文化や支援システムによって異なります。
特に、アメリカとイギリスでは、アプローチの違いが明確に見られます。
アメリカのリカバリー(SAMHSAの定義) 🇺🇸
SAMHSA(Substance Abuse and Mental Health Services Administration)は、アメリカの連邦機関で、精神保健や薬物依存の支援を行っています。
SAMHSAの定義するリカバリーの特徴は以下の通りです。
- 個人中心のプロセス ✨
- リカバリーは、個人が自らの力で進めるもの。
- その人自身が主体となり、自己決定できることが重要視される。
- 包括的なアプローチ 🌍
- 治療だけでなく、生活全般の改善、人間関係の構築、社会的支援などが含まれる。
- 持続可能な変化 ⏳
- 短期的な治療ではなく、長期的な生活の質の向上を目指す。
- エンパワーメント 💪
- 個人が自分のリカバリーに積極的に関わり、意思決定を行うことが奨励される。
イギリスのリカバリー(リカバリー・カレッジ) 🇬🇧
イギリスでは、「リカバリー・カレッジ(Recovery College)」がリカバリー支援の中心的な役割を果たしています。
ここでは、教育を通じて自己管理能力を高め、リカバリーを進めるアプローチが取られています。
- 教育ベースのアプローチ 📚
- リカバリー・カレッジは、精神健康やウェルビーイングに関する教育を提供。
- 学ぶことで、自分自身のリカバリーをより深く理解し、管理する力を育てる。
- 共同学習環境 🤝
- 専門家とサービス利用者が対等な立場で学び合う。
- 「教える・教えられる」ではなく、共に探求し、支え合う関係性が重視される。
- セルフマネジメント 🏡
- 参加者が自己管理能力を向上させ、ストレスや課題への対処スキルを身につける。
- コミュニティ参加 🌱
- 地域社会とのつながりを強化し、孤立を防ぐ。
- 「リカバリーすること」と「社会とのつながりを持つこと」を一体化して考える。
アメリカとイギリスの違い
アメリカ(SAMHSA) 🇺🇸 | イギリス(リカバリー・カレッジ) 🇬🇧 | |
---|---|---|
アプローチ | 個人の治療とエンパワーメント | 教育と共同学習を重視 |
支援の構造 | 政策的・制度的な支援が中心 | 地域やコミュニティと連携 |
参加者の役割 | 個人が主体的にリカバリーに関与 | 参加者同士が協力し合いながら学ぶ |
リカバリーと「5つの大切なこと(WRAP)」
WRAP(ウェルネス・リカバリー・アクション・プラン)は、リカバリーのプロセスを具体的な行動プランにするためのツールです。
その基盤となるのが、以下の「5つの大切なこと」です。
- 希望(Hope) 🌟
- リカバリーの出発点は、「変化できる」「より良い未来がある」と信じること。
- アメリカでもイギリスでも、「希望を持ち続けること」がリカバリーの根幹にある。
- 主体性(Personal Responsibility) 🏋️♂️
- 自分自身がリカバリーの責任を持つこと。
- 個人が自分のリカバリーや人生の選択に積極的に関与し、主体的に生きる力を育むこと(SAMHSAのエンパワーメントと共通点が多い)
- 教育(Education) 📖
- 知識を得ることで、より良い選択ができるようになる。
- イギリスのリカバリー・カレッジは、まさにこの「教育」を軸にしたアプローチ。
- 権利擁護(Self-Advocacy) 🗣️
- 自分のニーズを伝え、必要なサポートを求めること。
- アメリカでは、特に「個人の声を大切にする」ことが強調される。
- サポート(Support) 🤝
- ひとりで頑張らず、支え合うこと。
- イギリスでは、共同学習やコミュニティ参加がその支援の形となっている。
リカバリーとは、「共に進む旅」
リカバリーは、「ゴール」ではなく「プロセス」です。
一人ひとりの経験や価値観を大切にしながら、希望を持って新しい可能性を探求していくことが、リカバリーの本質なのです。
私たちは、固定観念にとらわれず、「何を望み、何を創り出していくのか」を模索し続ける旅の中にいます。
その旅の途中で、時には霧の中を歩き、時には断崖を覗き込むこともあるかもしれません。
しかし、そのすべての経験が「新しい意味」を生み出し、私たちを前へと進めてくれます。
リカバリーの道を歩むあなたにとって、どんな「希望」が見えますか?
一緒に考えていけたら嬉しいです😊
東京WRAPの個人的な見解です。
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