わたしたちは、ときどき医療に助けられてきました。診察室で、薬をもらったり、検査を受けたり、アドバイスを聞いたり。でも、あるときふと「この関係って、わたしにとってどんな意味があるんだろう？」って思うことがあるかもしれません。「医療」は、正解を教えてくれる場所じゃなくて、わたしが自分らしく生きていくために、どう関わるかを選べる場所なんだとしたら――そのとき、医療とのつながり方も、もっと自由に、もっとやさしくなれるんじゃないかな。

わたしたちは、ただ「患者」や「支援される側」じゃない。この世界をそれぞれのやり方で生きてきた、経験のある人同士。医療者が「正しい人」で、わたしが「従う人」ではなくて、わたしの暮らしや想いも大切にしながら、一緒に考えていけたらいいよね。

わたしたちは時々、「話してもいいのかな？」「迷惑じゃないかな？」って感じることがある。でも、自分の気持ちや希望を伝えることは、“関係をつくる”ことにつながっていく。

「症状をなくすこと」だけじゃなく、「どんなふうに生きていきたいか」が、医療と話し合うときの土台にあったらいい。わたしにとっての希望や願いが出発点なら、薬を使うか使わないかも、病名を受け止めるかどうかも、「わたしが選んだこと」として感じられるようになるかもしれない。

医療と向き合うときも、
わたしの世界の語り手は「わたし自身」であっていい。

もし今、「うまく伝えられなかったな…」「医療って苦手だな…」って思っていても、それは、あなたが真剣に自分を大切にしようとしている証かもしれない。大丈夫、関係は変えていける。どんなに小さな一歩でも、それはきっと「自分を生きる」道につながっている。そしてその道は、一緒に歩くこともできるよ。「ひとりで抱えない」っていう選び方も、ちゃんとここにあるから。