「助ける」から「一緒に学ぶ」へ(学びと成長)
こんにちは!ここでは、意図的なピアサポートの土台となる考え方の一つ、「学びと成長」の原則について一緒に探検するよ。「助ける」という言葉のイメージを、一度やさしく脇に置いて、新しい関係の扉を開けてみよう。
【まずはここから】わたしたちは、一緒に旅する仲間
(むずかしい言葉は使わずに、イメージでつかんでみよう)
- 「専門家」と「助けられる人」じゃない これまでの「助け」は、地図を持っている人(専門家)が、道に迷った人(助けられる人)を導くようなイメージだったかもしれない。でも、意図的なピアサポートでは、完璧な地図を持っている人は誰もいないんだ。
- 一緒に地図を広げる、探検のパートナー わたしたちは、お互いが地図の断片を持っている探検仲間みたいなもの。あなたの経験という地図のかけらと、わたしの経験という地図のかけらを突き合わせることで、一人では見つけられなかった新しい道が見えてくる。これが「一緒に学ぶ」ということなんだ。
- 「違い」は、新しい景色を見せてくれる 旅の途中で、「こっちの道がいい」「いや、あっちだ」と意見が分かれることもあるよね。意図的なピアサポートでは、その「違い」を問題じゃなくて、「新しい景色を見るチャンス」と捉えるんだ。
【もっと知りたい人へ】「助け」のイメージを塗りかえよう
(「学びと成長」の原則が、わたしたちの関係をどう変えていくのか、もう少し深く見ていこう)
1. 「助ける人」がはまりがちな、わな
「助ける」という言葉には、時々、目に見えない上下関係が隠れていることがある。
- 「正しい答え」を知っている人: 助ける側は、いつの間にか「自分の方が正しい」「答えを知っている」という立場に立ってしまうことがある。
- 「問題を解決」する人: 相手の「問題」を解決してあげることを自分の役割だと感じてしまうと、相手から学ぶ機会や、相手が自分で成長する力を信じる視点が失われがちになる。
これまでの支援の形では、これが当たり前だったかもしれない。でも、ピアサポートはここから一歩踏み出すんだ。
2. 「一緒に学ぶ仲間」への視点の転換
ピアサポートは、「助け」を「お互いが学び、成長するプロセス」だと再定義する 。これは、具体的にはこういうことなんだ。
- お互いの経験を尊重し、探求する: どちらの経験が「上」とか「下」とかじゃない。すべての経験に価値があり、そこから学べることがあると信じる。
- お互いが先生であり、生徒である: わたしたちの関係は、どちらか一方が教えるだけの一方通行じゃない。お互いが与え、受け取る、相互的な関係なんだ 。
- 違いを「学びの機会」と捉える: 考え方や感じ方が違う時こそ、自分の世界を広げるチャンス。相手の視点を通して、今まで見えなかったものが見えてくるかもしれないからね。
3. つらい経験(クライシス)を「学びの機会」に変える
この「学びと成長」の原則は、人がとてもつらい状況にいる時にこそ、大きな力を発揮する。
これまでの考え方では、つらい状況(クライシス)は「悪いもの」で、早くそこから抜け出すべきだと考えられてきたかもしれない 。でも、意図的なピアサポートでは、「人生が困難な時ほど、わたしたちは多くを学べる」と考えているんだ 。
つらい経験の真っ只中にいる時、「この経験が自分に何を教えてくれようとしているんだろう?」と一緒に考える視点を持つことで、ただ苦しいだけの時間が、未来への大きな一歩に変わることがあるんだよ。
さいごに
意図的なピアサポートにおける「学びと成長」の原則は、わたしたちを「専門家」と「患者」という役割から解放してくれる。
わたしたちは、ただ、同じ時代に生き、それぞれの経験をたいせつに持ち寄って、一緒に未来を探す「仲間」なんだ。
答えは誰か一人が持っているんじゃなくて、ふたりの関係性の中に、一緒に見つけていくものなんだね。この学びの旅を、一緒に楽しんでいこう!
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