トラウマとは何でしょうか?
あなたへ。ピアとして、心を込めて
この文章をここまで読んでくれたあなたに、
まず、まっすぐに伝えたいことがある。
あなたは、壊れてなんかいない。
おかしくなったわけでも、弱いわけでもない。
ただ、とても大変なことの中を、必死で生き抜いてきた。
それだけなんだと思う。
だから私は、
「あなたのどこが悪いのか」じゃなくて、
「あなたに、何が起きてきたんだろう」
そこから一緒に見ていきたい。
トラウマって、出来事そのものじゃない
ピアとして出会ってきた人たちと話していると、
よくこんな声を聞く。
「もっとひどい経験をした人がいるから」
「これくらいでつらいって言っちゃいけない気がして」
でもね、
トラウマって、出来事の大きさ比べじゃない。
同じ出来事が起きても、
そのとき どんなふうに感じたか、
ひとりだったか、誰かと一緒だったか、
それによって、心と体に残るものはまったく違う。
トラウマは、
過去の出来事そのものじゃなくて、
そのとき、あなたの内側で起きたことなんだ。
傷つきやすさは、弱さじゃない
よく「感受性が強い」と言われる人がいるけれど、
それは欠点じゃない。
例えるなら、
肩に大きなけがをしているところを、
誰かに軽く叩かれたような感じ。
叩いた人は悪気がなくても、
傷がある側は、ものすごく痛い。
だから、あとから
お酒に頼ったり、
人に当たってしまったり、
自分を責め続けてしまったりすることもある。
それは「問題行動」じゃなくて、
生き延びるための工夫だったんだと、私は思ってる。
見えないつらさほど、深く残ることがある
トラウマって、
戦争や災害みたいな出来事だけで生まれるわけじゃない。
・いつも先が読めなかった家
・安心できる大人がいなかった時間
・ちゃんと見てもらえなかった感じ
・理由のわからない緊張の中で過ごした日々
こういう「日常のしんどさ」が、
あとからじわじわ効いてくることも、本当に多い。
だから、
「これくらいで傷つくなんて」
そうやって自分を責めなくていい。
体と心は、ちゃんと理由があって反応してる
強い不安の中にいるとき、
私たちの頭はうまく働かなくなる。
理屈が通らなくなったり、
急に怒りが噴き出したり、
子どもみたいな反応になることもある。
それは、あなたが幼いからじゃない。
体と心が、命を守ろうとしている状態なんだ。
「わかってるのに、できない」
その苦しさを、私は何度も見てきたし、感じてきた。
依存や怒りも、あなたを守ってきた
ピアとして関わってきた中で、
私はよくこう思う。
「それがなかったら、この人は生き残れなかったかもしれない」
依存も、怒りも、無感覚も、
一時的に痛みをやわらげる役割があった。
だから、
「やめなきゃ」より先に、
「ここまで守ってくれてありがとう」
そう言ってあげてもいい。
回復って、元に戻ることじゃない
回復は、
「前と同じ自分に戻る」ことじゃない。
失ったと思っていたものを、
少しずつ、違う形で取り戻していく旅。
まずは、体を落ち着かせること。
次に、誰かと安全につながること。
それから、少しずつ考えたり、学んだりすること。
順番がある。
焦らなくていい。
ここまで生きてきたあなたへ
私は、あなたのことを
「傷ついた存在」だとは思っていない。
むしろ、
それでも生きてきた人、
感じ続けてきた人だと思っている。
回復は、簡単じゃない。
ときどき、心が折れそうになる。
でもね、
あなたの中には、
まだ触れられていないやさしさや、
あたたかさや、光がちゃんと残っている。
私は、それを信じている。
今はただ、
ここまでよく生きてきたね、って
そっと声をかけさせてほしい。
また、話そう。
一緒に、少しずつ。
参考文献:
トラウマと回復のガイドブック: 生存本能から癒しへ
https://drive.google.com/file/d/10n2NbAJPfU-ERE1YleRb85sHPjDCDOxq/view?usp=sharing
頑張りすぎてしまう、あなたへ
https://drive.google.com/file/d/1yZh7b3p7KGh_ZMnlnL_UZ_iCeDs8x8iC/view?usp=sharing

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