クライシス後プラン
リカバリーを確かなものにするための歩み
1.はじめに
クライシスを越えたあとの「リカバリー」とは
人生には、思いがけない出来事が重なり、
心も体もどうにもならなくなる「クライシス」の時があります。
その嵐をくぐり抜けたあとに始まるのは、
ただ「元に戻る」ことではありません。
そこから始まるのが、あなた自身のリカバリーです。
リカバリーとは、
困りごとが消えることでも、
つらさを感じなくなることでもありません。
それは、
自分の健やかさを少しずつ取り戻しながら、
人生の真ん中にもう一度立ち、
自分の持っている力を使い直していく歩みです。
この歩みに、終わりや完成はありません。
進んだり、立ち止まったり、戻ったりしながら、
時間をかけて深まっていきます。
今は足元がおぼつかなくても大丈夫。
「自分はまた健やかでいられる」
その感覚が、これからの道を照らしてくれます。
2.リカバリーを支える4つの土台
リカバリーを続けていくためには、
日々の暮らしの中に、あなたを支える土台が必要です。
この土台は、
不安が強まったときにあなたを守る防波堤のようなものです。
暮らしを支える4つの土台
1.ウェルネス
体と心の様子を見つめ、
「今の自分に合う選び方」を自分で決めていくこと。
無理をせず、助けになる習慣や支えを選びます。
2.住まい
誰にも脅かされず、
安心して過ごせる場所があること。
3.目的
仕事、学び、誰かの世話、作ることなど、
日々の中で「自分の居場所」を感じられる活動。
役割は、あなたのペースで見つけていけば十分です。
4.つながり
あなたを信じ、尊重してくれる人との関係。
支え合えるつながりは、孤立からあなたを守ります。
3.クライシスが落ち着いてきたことを知る
自分で確かめる「めじるし」
リカバリーを自分の手に戻していくためには、
「今の自分はどうだろう?」と確かめるめじるしが役に立ちます。
これは、
誰かに評価されるための基準ではありません。
あなた自身が「今は大丈夫」と感じるための目安です。
リカバリーのめじるし(例)
- 一日に2回以上、食事をとれている
- 一日に6時間ほど、起きて過ごせている
- 顔を洗う、着替えるなど、身の回りを整えられている
- 家の中の用事を、少しずつこなせている
- 無理のない会話ができている
「何日続いたら安心か」は、
あなた自身が決めてかまいません。
あなたのことを一番よく知っているのは、
あなた自身です。
4.日々のプラン
自分を助ける道具箱を作る
心が揺れやすい時期には、
考えなくてもできる「助け舟」があると安心です。
自分を支える工夫を集めた
健やかさの道具箱を作ってみましょう。
道具箱に入れるもの(例)
- ゆっくり呼吸する
- 日の光を浴びる
- 体や心の様子を確かめる
- 音楽を聴く、描く、書く
一日の流れ(例)
毎日やること
- 朝、光を浴びる
- 食事と水分をとる
- 決めた時間に休む
時々確かめること
- 予定の確認
- 誰かに声をかける
- 部屋を整える
「できなかった日」があっても問題ありません。
道具箱は、あなたを責めるためのものではなく、
助けるためのものです。
5.引き金と注意サイン、深刻な乱れを見直す
クライシスの経験は、
これからのあなたを守る知恵にもなります。
引き金の例
- 特定の時期や出来事
- 責められたり、軽んじられたとき
- お金や生活の不安
注意サインの例
- 考えが止まらなくなる
- 体と心が離れた感じ
- いつもより苛立つ、忘れっぽくなる
気づいたら、
「今は休もう」と自分に言ってあげてください。
早めに手当てすることは、弱さではなく力です。
6.つながりを作り直す
リカバリーは、一人では続きません。
大切なのは、対等で安心できる関係です。
よい関係のめじるし
- 決めつけない
- 話を聴いてくれる
- 変わっていくあなたを尊重する
境界線を大切に
- 連絡の時間
- 話したい内容
- 体の距離
「ここまではいい」を決めることは、
関係を壊すことではなく、守ることです。
7.自分の権利を知り、声を出す
あなたには、
自分の人生について決める権利があります。
あなたの権利
- 嫌なことに「いいえ」と言う
- 納得しない選択を断る
- 他の意見を求める
- 尊厳を持って扱われる
声を出すことは、
わがままではありません。
自分を守る行為です。
8.おわりに
ここまで読み、
自分のために考えようとしたこと自体が、
大きなリカバリーの一歩です。
忘れないでください。
あなたは、自分のリカバリーの専門家です。
このプランは、何度書き直してもかまいません。
あなたの歩みに合わせて、
一緒に育っていくものです。
あなたは、
ここにいていい存在です。
あなたの力は、すでにここにあります。
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