こんにちは!ここでは、意図的なピアサポートのとてもユニークな考え方、「関係を大切にする」原則について探検するよ。誰か「個人」を良くしようとするんじゃなくて、ふたりの「間にあるもの」を育んでいく。そんな新しい視点に、一緒に触れてみよう。
【まずはここから】ふたりの間の「宝物」を育てよう
(ふたりの間に、小さな庭があるのをイメージしてみて)
- 「関係」は、ふたりが一緒に育てる庭 あなたと、もう一人の人の間に、小さな庭があると想像してみて。その庭は、どちらか一人のものじゃなくて、ふたりで水をやり、雑草を抜き、花を育てる共有のスペースなんだ。ピアサポートでは、この「庭」そのものを「関係」と呼んで、たいせつにしているんだよ。
- 誰かが「問題」なんじゃない これまでの支援では、どちらか一人が「問題」を抱えていて、もう一人がそれを「解決する」という形が多かったかもしれない。でも、この原則では、誰か個人に焦点をあてるんじゃなくて、「わたしたちの『関係』は今、どんな状態かな?」と一緒に考えるんだ 。
- 居心地が悪くても、すぐには逃げ出さない 庭の手入れをしていると、虫が出てきたり、天気が悪くなったりすることもあるよね。関係も同じで、時には気まずくなったり、腹が立ったりすることもある。そんな時でも、「もういいや」とすぐに庭を放置するんじゃなくて、「どうしたらこの関係を続けられるかな?」と一緒に方法を探そうとするんだ。
【もっと知りたい人へ】関係性は、それ自体が生きている
(「個人」に焦点をあてることから、「関係」に焦点をあてることへ。この視点の転換がもたらすものを、もう少し深く見てみよう)
1. 視点を「個人」から「ふたりの間」へ
「あの人はどうしてこうなんだろう?」と考える代わりに、「わたしたちの間で、今何が起きているんだろう?」と考えてみる。これが、この原則の大きな転換点なんだ。
- 「個人のケア」との違い: 「あなたのケアをします」ではなく、「わたしたちの関係をケアしましょう」というのがピアサポートの考え方 。そうすることで、どちらか一人が「問題のある人」という役割から解放されるんだ。
- 責任も、ふたりで分かち合う: 関係がうまくいっている時も、そうでない時も、その責任はふたりにある。この考え方が、お互いを対等なパートナーにしてくれる 。
2. どうやって「関係」を育てるんだろう?
ふたりの間の庭を豊かにするために、わたしたちにできることがあるよ。
- 本当に聞き合うことを目指す: 相手が何を言っているかだけじゃなく、その言葉の奥にある気持ちや見てきた世界を、尊敬の気持ちをもって聞こうとすること。
- 共有し、つながる力を育む: 自分の気持ちや経験を、安心して分かち合える場を作ろうとすること。そして、つながりが感じられる瞬間をたいせつにすること。
- 尊敬と尊厳をもって接する: たとえ相手の考え方が自分と違っても、その人自身の経験と人間性を尊重し、尊厳をもって接すること。
3. 一番むずかしいこと:居心地が悪くても、関係にとどまってみる
わたしたちは、気まずくなったり、意見が対立したりすると、その場から離れたくなるのが自然だよね。でも、ピアサポートでは、その居心地の悪さから逃げずに、そこにとどまってみることを大切にするんだ 。
どうしてかというと、その居心地の悪さこそが、関係が成長しようとしている合図かもしれないから。
そこで起きていることから逃げずに、「今、わたしたちの間で何が起きているんだろう?」と一緒に話すことができたら、その関係はもっと正直で、もっと強いつながりになる可能性があるんだ。それは、わたしたちが古いパターンから抜け出して、新しい関わり方を学ぶ、絶好の機会なんだよ 。
さいごに
意図的なピアサポートの関係は、誰かを変えるための「道具」じゃない。
関係そのものが、わたしたちがお互いを癒やし、学び、成長していくための、安全で、あたたかい「場所」なんだ。
関係をケアすることは、時に勇気がいるけれど、その先には、もっと深く、あたたかい信頼が待っているんだ。一緒に、このたいせつな宝物を育てていこうね。