こんにちは!ここでは、意図的なピアサポートの原則の一つ、「希望に基づく関係」について一緒に探検するよ。これは、ただポジティブでいよう!ということじゃないんだ。もっと深く、わたしたちの関係性そのものに希望を見出していく、あたたかい道のりだよ。
【まずはここから】「どうせダメ」から「もしかしたら」へ
(暗い部屋のカーテンを、少しだけ開けてみるようなイメージで)
「問題」ではなく、「ひとりの人間」として出会う
わたしたちは、診断名や問題といった「ラベル」を通してではなく、一人の人間としてお互いに出会う。あなたのこれまでの物語、強さ、痛み、そのすべてをたいせつにするところから、この関係は始まるんだ。
「どうせ…」よりも「もしかしたら…」を信じる
これまでの経験から、「どうせ変わらない」「自分にはできない」と思ってしまうことがあるかもしれない。でも、この原則では、「もしかしたら、違う未来があるかもしれない」という可能性を、希望をもって一緒に探っていくんだ。誰の可能性にも、限界はないと信じているよ 。
信頼は、ゆっくり育てるもの
「信じて」と言われて、すぐに信じられるものじゃないよね。特に、つらい経験をしてきたならなおさら。だから、わたしたちは時間をかけて、正直なやりとりを重ねることで、少しずつ信頼関係を築いていく。
勇気は、ひとりで見つけるものじゃない
新しいことに挑戦するのは怖いもの。でも、信頼できる誰かが「一緒にいるよ」と言ってくれるだけで、小さな一歩を踏み出す勇気が湧いてくることがある。その勇気を、わたしたちは一緒に見つけていくんだ。
【もっと知りたい人へ】希望は、関係性の中に生まれる
(希望がどこからやってくるのか、そして、わたしたちの関係の中でどう育んでいけるのか、もう少し深く考えてみよう)
- 「恐れ」から話す? それとも「希望」から話す?
わたしたちの会話は、無意識のうちに「恐れ」がもとになっていることがあるんだ。
恐れに基づく会話: これは、相手を心配するあまり、コントロールしようとしたり、評価したりする会話のこと。「主治医には話したの?」とか、「そんなことして大丈夫?」という問いかけは、相手の安全を心配する「恐れ」から来ていることが多い。表面的な励まし(「元気出して!」)も、相手のつらさにどう向き合えばいいかわからないという、自分の不安から来ているのかもしれない 。
希望に基づく会話: これは、相手の世界観を理解しようとする好奇心から始まる。「あなたにとって、それはどんな感じなの?」と尋ね、評価や判断をせず、ただ一緒にその気持ちを感じようとすること。答えを急がず、可能性が開かれるのを待つ。そんな対話の中に、希望は生まれてくるんだ 。
- ラベルではなく、「ひとりの人間」として出会う
わたしたちは、これまでの経験でたくさんの「ラベル」を貼られてきたかもしれない。でも、あなたは、そのラベル以上の、もっと豊かで複雑な存在だ。
希望に基づく関係は、そのラベルを一度横に置いて、目の前にいる「ひとりの人間」の物語に耳を傾けることから始まる。そうやって出会う時、わたしたちは初めて、その人の本当の可能性に触れることができるんだ。誰も希望の届かない存在ではないんだよ 。
- 信頼は、ゆっくり、一緒に育てるもの
希望は、信頼という土壌で育つ。
時間をかけること: 信頼関係はインスタントにはできない。焦らず、急かさず、お互いのペースを尊重しながら、正直なやりとりを重ねていくことがたいせつなんだ。
正直であること: いつも「正しい」ことを言う必要はない。わからない時は「わからない」と、不安な時は「不安だ」と、自分の気持ちを正直に伝えることが、かえって深い信頼につながることがある。
そばに居続けること: 相手がうまくいっている時だけでなく、つらい時、混乱している時にも、そばに居続ける意図を持つこと。その積み重ねが、「この人は信頼できる」という安心感に変わっていくんだ。
この安心できる関係があるからこそ、わたしたちは「もしかしたら…」と、新しいことに挑戦する勇気を見つけることができるんだね。
さいごに
「希望」は、根拠のない楽観主義じゃない。
それは、「今のつらさ」があなたの全てではないと信じること。そして、信頼できる誰かとの関係の中でなら、人はいつでも新しい物語を始めることができると信じること。
その小さな「もしかしたら」の光を、一緒に見つめ、たいせつに育てていく。それが、「希望に基づく関係」なんだね。