東京WRAP ー 自分らしいウェルネスを育てよう!

クライシスプランがうまくいかないとき

WRAPのクライシスプランとは?

1. クライシスプランとは?

クライシスプラン(Crisis Plan)は、「調子が大きく崩れたり、自分で対処するのが難しくなったときに、どのように対応するかを事前に決めておく計画」です。

WRAP(元気回復行動プラン)において、このクライシスプランは、「深刻な乱れ」や「クライシス状況」に備えるための重要な要素です。

⚠️ クライシスプランが必要な状況の例

🔍 クライシスプランの目的


2. クライシスプランの具体的な内容

WRAPでは、クライシスプランを9つの要素で構成します【40:8†source】。

要素内容具体例(アディクションの場合)
① いい感じどんなときに「自分らしくウェルネス」かを書き出す例:「お酒を飲まずに1週間過ごせている」「仕事や家事ができている」「人と話すのが楽しい」
② クライシスのサインどんな変化が起きるとクライシスが近づいていると判断できるか例:「お酒を飲みたい気持ちが強くなる」「ギャンブルのことばかり考える」「食事や睡眠のリズムが崩れる」
③ サポートをお願いしたい人・避けたい人クライシス時に助けを求める相手を決めておく例:「母とカウンセラーには連絡してほしいが、過去に共依存関係だった友人Bには頼りたくない」
④ 医療・福祉関係者の連絡先受診先や緊急連絡先を明記例:「通院している精神科の電話番号」「緊急時の救急対応窓口」
⑤ 受け入れたい治療・避けたい治療どんな対応を希望するか明確にする例:「できるだけ入院は避けたいが、デイケアには通いたい」
⑥ 自宅や地域でのサポートプラン家族や地域の支援をどう活用するか例:「1人でいると危険なので、家族に3日間一緒にいてもらう」「AA(アルコール依存症自助グループ)に参加する」
⑦ 入院が必要な場合の選択肢どこで、どのようなサポートを受けたいか例:「どうしても入院が必要になったら○○病院、グループホームを希望」
⑧ 他者にしてほしいこと・してほしくないこと周囲の対応について要望を伝える例:「責めるのではなく、静かに話を聞いてほしい」「説得ではなく、一緒に考えてほしい」
⑨ クライシスからリカバリーしつつあるサインクライシスを脱し、リカバリーが始まる兆候を明記例:「3日間お酒を飲んでいない」「食事や睡眠のリズムが戻ってきた」

3. クライシスプラン通りにできなくても「学び」であり、失敗ではない

クライシスプランを作ったとしても、必ずしも計画通りに行動できるとは限りません

例えば、

こういうことは「失敗」ではなく、「学びの機会」です。
大切なのは、「何がうまくいかなかったかを振り返り、次に活かすこと」です。

💡「失敗」ではなく「学び」とするための考え方「うまくいかなかった理由」を冷静に振り返る
(例:「助けを求めるのが怖かった」「感情が強すぎて冷静になれなかった」)
「次はどうするか?」を考える
(例:「次は感情が強くなる前に助けを求める」「別の対処法も試してみる」)
自分を責めない
(「またダメだった…」ではなく、自分をもっと深く理解できた。「次はなにしよう!」と考える)


4. クライシスプランは「自分を守るためのツール」

クライシスプランは、「絶対に守らなければならないルール」ではなく、「自分を助けるための道しるべ」です。
できなくても、「次はこうしよう」と考えることが、リカバリーへの大きな一歩になります。

🌱 まとめ

「できなかった」ことに目を向けるのではなく、「次はどうするか?」に目を向けることが大切です
それが、自分自身のリカバリーへの道を切り開く鍵になります✨。

東京WRAPの個人的な見解です。

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