東京WRAP

意図的なピアサポート(IPS)とは? ー 共に学び、成長し、つながる新しい関係性のカタチ

現代社会では、多くの人が支え合いを求めながらも、どこか孤独を感じる瞬間があります。そんな中、「意図的なピアサポート(Intentional Peer Support, IPS)」というアプローチが注目されています。これは単なる支援ではなく、お互いに学び合い、成長しながら、新しい可能性を探る関係性を築くことを目的としたものです。


IPSの3つの原則

IPSには、関係性を深め、より良い変化を生み出すための3つの基本原則があります。

1. 学びと成長(Learning & Growing)

IPSでは、支援する側・される側という固定された関係ではなく、共に学び、成長する旅に出ることを大切にします。お互いの経験や価値観を尊重し、新しい視点を得ることで、自分自身の可能性も広がっていきます。

2. 関係を大切にする(Caring for Relationship)

「助ける・助けられる」ではなく、つながりを育むことがIPSの核となります。たとえ意見が異なったり、関係が揺らぐ瞬間があったとしても、対話を重ねながら関係を続ける方法を探っていきます。

3. 希望に基づく関係(Hope-Based Relationships)

IPSでは、問題解決にフォーカスするのではなく、「これからどんな未来を一緒に創れるか?」という希望を基に関係を築きます。お互いの可能性を信じ、新しい挑戦に踏み出す勇気を見つけるプロセスが大切です。


IPSの4つのタスク

IPSを実践する上で、特に意識したいのが次の4つのタスクです。

1. つながり(Connection)

単なる会話ではなく、相手の話に本当に興味を持ち、お互いがどのように感じているかを意識することが重要です。時には関係が途切れそうになることもありますが、それを認識し、再びつながるための方法を見つけます。

2. 世界観(Worldview)

人それぞれに異なる背景や価値観があります。IPSでは、自分の先入観を手放し、相手の視点やストーリーを深く理解しようとする姿勢を大切にします。語られていない背景にも目を向けることで、より豊かな関係を築くことができます。

3. 相互性(Mutuality)

IPSでは、支援する側・される側という一方通行の関係ではなく、お互いに学び合い、共に成長する対等な関係を目指します。相互のニーズが満たされるように対話を重ねることで、より持続可能なつながりが生まれます。

4. 向かうこと(Moving Towards)

過去の困難や問題に焦点を当てるのではなく、「これからどんな未来を一緒に築いていくか?」というビジョンを共有することがIPSの特徴です。回避ではなく前進する関係性を築くことで、新しい可能性が開けていきます。


IPSがもたらすものとは?

IPSは、単なる「支援の形」を超えて、人と人とのつながりを深め、新しい未来を共に創るアプローチです。これは、メンタルヘルスの分野だけでなく、職場や地域社会など、あらゆる場面で応用できる考え方でもあります。

「誰かを助ける」ではなく、「一緒に学び、成長する」という視点を持つことで、関係性はより豊かになり、お互いの可能性が広がっていきます。

あなたも、意図的なピアサポートの考え方を取り入れてみませんか?

WRAPクラスの後で、簡単なワークショップをすることがあります。

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