その質問をもらうまで、正直に言うと、私はその違いをはっきり意識したことがありませんでした。
だから、今こうして気づいたことを、素直に話します。
昔、精神科を受け始めた頃の私は、「症状」という言葉に強く影響されていました。
その言葉は医学的で、正しくて、説明しやすかったからです。
落ち込み、不安、自傷行為――それらはすべて「診断できる問題」だと考えていました。
強い感情があるということは、「何かがおかしい」という意味だと、自然に思っていたのです。
なぜそう考えるようになったのか振り返ると、
専門職の文化や、医師への信頼、
「専門家は知っていて、本人は知らない」という考え方の中に、
私自身が深く浸かっていたからだと思います。
誰かが強い感情を見せると、無意識に
「これは症状だから、コントロールしなければならない」
そう考えていました。
でも、あるとき気づいたんです。
その関わり方では、その人が何を経験してきたのかを知ることができない、ということに。
強い感情は、異常ではありません。
それはとても人間的なものです。
その人の世界の見え方に対する、自然な反応です。
たとえば、家庭内暴力を経験した人が、大きな声に強く反応する。
それは「症状」でしょうか。
私は今、それは生き延びるために身につけた大切な力だと思っています。
その人の体と心は、起きた出来事に対して、ちゃんと意味のある反応をしているのです。
その違いを本当に理解できたのは、
私が「専門家の立場」から一度降りて、
ただその人の話を聞くようになったときでした。
「これは何の症状ですか?」ではなく、
「何が起きたのですか?」と問い始めたときです。
そして、こう思うようになりました。
その人は「症状を持っている」のではない。
その人自身の世界の見え方の中で、
とても理にかなった方法で、今を生きているのだ、と。
この理解にたどり着く中で、私自身も変わりました。
医学モデルだけに頼ることから少し離れ、
もっと謙虚に、人の話を聞けるようになったと思います。
その人の経験を、文化や歴史、背景ごと大切に受け取ることの意味を、学びました。
正直に言えば、今でも完全な答えを持っているわけではありません。
だからこそ、あなたがどう感じるのかを知りたいです。
この違いについて、これからも一緒に考えていけたら嬉しいです。